#08 疲れが取れない看護師には『3』がいい。
看護師の中でもシフト勤務をしている人は、不規則で深夜に活動しなければならないこともあり、慢性的に疲労している人が多いですよね。
それでも若いうちは夜勤の方が好きだったりする時期もありますが、歳と共に辛くなりがちです。
歳を重ねても元気にシフトをこなしつつ、疲労からも上手に回復して私生活も楽しみたいものですね。
そのためにはズバリ、油を選びましょう!
特に『細胞膜』の質をよくしてくれる油が鍵になります。
今回紹介する油は、『オメガ3(ω3)脂肪酸』
健康に良いとする論文が多数あり、エビデンスのしっかりしているものです。
本文を最後までお読みいただくと、美容と健康に良い働きをしてくれる油の種類と、正しい取り入れ方を理解することができます。
目次
①看護師さんを元気にするにはミトコンドリアを元気にする、鍵は細胞膜にあり。
看護師さんを元気にするために必要なことは「ミトコンドリアを元気にすること」であると『#2疲れた看護師さんの栄養セラピー』でお話しました。
ミトコンドリアが元気=その人が元気、ということなのですね。
ω3脂肪酸を食事に摂り入れることが、ミトコンドリアを元気にする一つのアプローチになります。
ミトコンドリアは、ヒトの34兆個ある細胞の中にある小器官なのですが、このミトコンドリアに栄養素が届いて生命維持に必要なエネルギーが作られます。
栄養がミトコンドリアに届くためには細胞膜の流動性がしなやかで、栄養素が通過しやすいことが大事なのです。
この状態を『細胞に入るためのドアが開きやすい』イメージで考えてください。


この図は細胞膜です。
「リン脂質二重層」の成分が「何でできているか」が重要になるのです。
細胞膜の構成成分の中で重要なものが「油」なのです。
細胞膜は親水性と疎水性で構成されていて、疎水性の部分が脂肪酸でできています。
細胞膜の構成成分は食べた油がダイレクトに影響しています。
私たちが日常的に多く口にしている油は、圧倒的に『オメガ6(ω6)脂肪酸』なのですが、これがメインでできた細胞膜は、ドアが開きにくい細胞膜になりやすいのです。
この状態を細胞膜が酸化している、炎症を起こしていると思ってください。
対して細胞膜がオメガ3(ω3)リッチで構成されていれば、ドアが開きやすくてミトコンドリアに栄養素が届きやすく、エネルギーが作られやすい、つまりバテにくく回復も早いということになります。

看護師さんはハードで不規則、慢性的に疲労が溜まりやすい職業ですから、ミトコンドリアに栄養素を届きやすくして、エネルギーチャージをスムーズにしたいですよね。
そのためにはオメガ3(ω3)の脂肪酸を意識的に摂取することが必要です。
② ω3の採り入れ方。
ω3脂肪酸を食事に摂り入れるには以下の3つの方法があります。
①食材から
②オイルから
③サプリメントから
今回はオイルについて詳しくお話します。
サプリメントもご紹介しますが、消化・吸収能力の個人差によって腹部不快感や蕁麻疹などの反応が起こる可能性もあります。
メーカー推奨量を守って、自己責任の上でご利用くださいますようお願い致します。
ω3脂肪酸には、『α-リノレン酸』『エコサペンタエン酸;EPA』『ドコサヘキサエン酸;DHA』の3つがあり、α-リノレン酸は体内でEPAやDHAに変換されます。
一般的にはEPAやDHAで摂取した方が効果的と言われていますが、前駆体のα-リノレン酸で摂取することも重要だと考えられています。
現代人が食べ過ぎてしまいがちのω6と、ω3の摂取割合は4:1になるようにするのが理想と言われていますが、残念ながらω3は意識をしないと摂取されることがないので、実際には4:1以上の差があるとも言われています。
ω6はサラダ油やごま油、バターや牛肉や豚肉などに多く含まれ、外食やテイクアウト、給食、お菓子類などからも簡単に摂取できるため、あっという間に1日摂取量を上回ってしまうのです。
ω3もω6も私たちを外界の脅威から守るために必要な油であり、体内で合成できないので摂取しなければならないのですが、現代の食生活ではω6が過剰になりやすいのです。
外界からの脅威に対して炎症を起こしてやっつけるのがω6、やっつけ終わったら速やかに火消しするのがω3というイメージです。(正確にはこれらの油から体内で合成されるエイコサノイドがこの役割を果たします。)
ω6の摂取が過剰であることが、体内の炎症を起こしやすい原因の一つだと言われています。
細胞膜に炎症を起こさないように、ω3を意識的に摂取していきましょう。
ω3を食材から摂取しようとすると、亜麻仁種子・えごま種子・紫蘇・サバ・イワシなどが含有量が高いと言われています。
これらの食品はなかなか毎日食べるものでもなく、種子などは大量に食べるものでもないですから、食材だけではω6との比率差が大きくなりがちです。
そこでオイルの出番なのです。
オイルといっても、加熱調理に使うのではなく、調理済みの食品にかけて食べる使い方ですので、ちょこちょこと摂り入れることができます。
商品名では「亜麻仁油」「えごま油」です。
亜麻仁油はフラックスオイルともよばれています。海外通販ではこの名前で探してください。
私はこれを食べています。

私個人の好みでいうと、亜麻仁油の方が癖が少ない気がします。
両方食べてみてお好きな方を採用してみてください。
使い方のお勧めは、サラダのドレッシングとして、納豆や冷奴にかけて、プロテインを習慣にしている方はプロテインに混ぜてもいいでしょう。
モデルさんで「寝る前に大さじ1杯スプーンで直接食べて寝る。」なんていう方のブログを拝見したことがありますが、油はあくまでも食品ですので、食事と共に召し上がった方が胆汁の分泌も活発ですので、吸収率がアップします。
食事時の中に摂り入れるようにしてください。
毎日大さじ1杯は摂取したいですね。
食材からω3を効率よく摂取するには、亜麻仁油やえごま油といったオイルを毎日食事に摂り入れることが効果的です。
③ ω3の保管と使用上の注意点。
亜麻仁油もえごま油も使用方法や保管方法でいくつか注意が必要です。
ω3は非常に酸化しやすい油だからなのですが、この酸化した油を摂取してしまうと過酸化脂質が発生するので体に様々な悪影響があります。
体に良いω3であっても、酸化してしまうと危険な食材になってしまうと言うわけです。
正しく管理して効果的に摂取していきましょう。
ω3の酸化は、「空気」「温度」日光や蛍光灯の「光」で起こります。
販売している段階で遮光の瓶や箱に入っていない場合は、すでに酸化している可能性が高いと言うことです。
まずは販売している段階できちんと遮光されていることを確認しましょう。
瓶が遮光されていない場合は、箱を捨てないで管理しましょう。
開栓後は冷所保存で1ヶ月以内に使い切ることにも気をつけてください。
毎回蓋はしっかり閉めること。
熱にも弱いので常温以上の食品にはかけないでくださいね。
ω3は酸化しやすい油ですが、しっかり性質を理解して使用して頂ければ、メリットを受けることができます。
④ サプリメント紹介。
最後にサプリメントをご紹介します。
EPAやDHAが高容量で摂取できるので、「もうサプリでいいじゃん?」と思われがちなのですが、あくまでも食事の補助であることをお忘れなく。
脂肪酸と言うのは何か一つの成分がそれだけで良い効果を発揮すると言うものではなく、吸収や代謝経路でオイルや食品に自然に含まれる微量元素が奏功するものなのです。
「サプリメントで摂取しているから魚食べなくていいわ。」という話にはなりません。
あくまでも食品で摂取しつつ、補助的にご使用くださいね。
食品ですので、食事と共に召し上がってください。
メーカー推奨量を超えないようにご利用ください。
以下アソシエイトリンクではありません。
○フラックスオイルサプリメント商品例

DHAやEPAの前駆体として摂取されます。
○EPA商品例

EPAの比率が高いものです。
細胞膜に炎症が強い方にはこれがお勧めですが、EPAは血流をよくする面がありますので、高脂血症や動脈硬化のある方は、医師の許可を得てから摂取してください。(すでにEPA製剤を処方されている場合は過剰になってしまいます)
この他にも、看護師さんにはあまりいないと思いますが、血小板凝集抑制剤を投与されている方も禁忌です。
手術や抜歯の前には中止しておく必要もあります。
○EPA /DHA商品例

DHAは脳機能維持に重要ですので、魚油で摂り入れる際は、EPA・DHA両方が含まれるものが良いでしょう。
注意事項はEPAに同じです。
サプリメントに頼りきりにならないように、食事からしっかり摂取していきましょう。
栄養素はサプリメントでは高容量となりますので、疾患がある方は注意が必要です。
主治医に相談してくださいね。
⑤ まとめ。
『疲れる=ミトコンドリアが元気ない』
という図式があり、ミトコンドリアが元気でなくなる原因はいくつかありますが、三大栄養素がミトコンドリアに届きにくいと言うこともその一つです。
ミトコンドリアに栄養素が届きにくい要因に、細胞膜の酸化(炎症)があります。
看護師さんは不規則でストレスフル。
食事が外食やコンビニに頼りがちであったり、飲酒や喫煙の影響がある方もいますね。
細胞膜が酸化しやすい要素が多い職業です。
細胞膜の酸化を抑える食品を積極的に摂取して損はないでしょう。
看護師さんはとにかく「酸化ストレス」を抑えることが重要です。
酸化ストレスも検査データで読むことができますので、これについても今後動画を上げていきたいと思います。